マインドの仕組みとコーチング

ゴールについて

より幸福に生きていきたいという気持ちは、どんな人にもあります。

そして、そのために私たちには何らかの夢や望みがあるはずです。

夢や希望、目標や理想、ヴィジョン、目的、願望など様々な言葉で表現されますが、明日はこうありたい、という望みを持っているはずです。

コーチングでは、これらをゴール(goal)と呼びます。

なぜゴールが必要なのか?

ゴールを持つ、持たないということは人それぞれの自由です。

ゴールを持たなければならないということは決してありません。

しかし、私たちのマインド(脳と心)は生得的にゴールを必要とするようにできているのも事実なのです。

私たちの脳は目的や目標を持つことで、その機能をよりよく発揮できるような仕組みになっているのです。

ゴールを持つことを、ゴールを設定する(goal setting)と表現します。

このゴールについて少し詳しくご説明します。

< コーチングの創始者、ルー・タイスによるゴール設定が必要な6つの理由 >

 1)何の目標も理想も掲げなければ、自己破壊、死が待っている

ルー・タイスは朝鮮戦争時、共産主義者の精神的拷問(洗脳)によってかつてないほど多くの

アメリカ兵の捕虜が死亡した例を挙げています。

徹底的に将来への希望を破壊され、生きる目的を失った若い捕虜たち(18歳~20代前半)が、

48時間で何の肉体的原因もなく死亡してしまったそうです。

また、何の目的もなく退職した人も、退職後平均18ヶ月で亡くなっているという

アメリカの調査結果があります。

つまり人は絶望すると体の全機能が停止し、死に至るのです。

2)標的を失ったミサイルのように全システムが機能停止する

人間は本質的に目的を志向する生き物です。

脳に標的を探し出す能力が生まれつき備わっているのです。

無意識(subconscious)はその標的(目標)が何であれ、頭の中で最も

支配的な目標やイメージに向かって私たちを動かします。

私たちは本質的に目的志向なので、目標によって方向づけされ、人間形成がなされます。

私たちのマインドが適切に機能しているときは、意識的であれ無意識的であれ

目的や目標を達成するという観点から思考しているのです。

目的志向はミサイルの誘導システムとよく似ています。

マインドの中にあるイメージが、私たちを目的まで導きます。

私たちが生得的に持っている目的志向のメカニズムを

どう扱うのかがコーチングの主要な技術です。

3)意識的に目標を与えないと、すでにある目標を再生する

新しいゴールを設定しないと、すでにマインドに無意識にプログラミングされた

ゴール(過去のイメージ)に向かうことになります。

つまり、昨日を再生し続けることになり、変化のない毎日が続くことになるのです。

さらに悪いことは、新たなゴールを設定しなければマインドは現状を維持するように機能し、その結果、環境の変化に適応することができず、大きな苦境に陥ってしまう可能性が高いことです。

4)自分で新しい目標を設定しないと、他人に使われる人になる

思考や判断の基準は目標から生まれます。

自分で目標を設定しないと、人の判断や指示の影響を強く受け、自分自身で考えることをやめてしまいます。

そして、他人が頭の中に誘発したイメージに従って行動し、あらゆる影響を受けてしまうことになるのです。

苫米地博士はこういった状態を「奴隷になる」と表現しています。

5)目標設定とアファメーションで、挫折への抵抗力をつける

ゴールを達成することができるという肯定的な期待を持つことで、すべての挫折を一時的なものにすることができます。

転んでも自ら立ち上がるには、ゴールが達成できるという確信と、すべての挫折や失望を一時的なものとみなす態度を持つことが必要です。

6)認知的不協和とそのポジティブな副産物(創造的エネルギー、モチベーション、意欲、方向性)を生み出すこと

私たちのマインドは、自分の置かれた環境、社会生活、職業、家庭生活などの脳内イメージと、感覚器官を通して認識する現実のイメージが一致したとき最もバランスがとれた状態になります。

内的イメージと外部環境に矛盾を感知すると、脳内システムは私たちを「あるべき状態」に戻そうとするエネルギーを生み出します。

この「あるべき状態」は心の中にあるイメージや信念のことです。

その変化が望ましいものであってもなくても、内的イメージに適合しないと、その変化に抵抗することさえあります。

この内的イメージと外部環境のギャップから生まれる精神的な緊張を「認知的不協和」と呼びます。

他人に自分の意見や信念に反対されると、強い怒りを覚えることがありますが、

それは認知的不協和が生まれるからです。

コーチングは、この認知的不協和を意識的にポジティブに利用することで、ゴール達成のためのエネルギーやモチベーション、意欲、方向性を生み出すことができるのです。
そして、コーチングでは次の3点がゴール設定の際に重要だと考えています。

< ゴールの条件 >

1)ゴールは自分自身が心から望むものにする。

自分自身が心から望むゴールでないと、他人の目や評価を気にしたり、義務感(やらなければ)が生まれ、建設的なモチベーションが生まれません。

その結果、ありとあらゆる「できない理由」を考え出し、ゴールを達成することが困難になります。

これを創造的回避(Creative Avoidance)といいます。

2)ゴールは現状の外に設定する。

ここでいう現状(Status Quo)とは現在の状況とその延長線上の理想的な未来を含むものです。

スポーツ選手がオリンピック出場を目指す、新入社員がその会社の社長を目標にするなど、

難しくても確率的に可能な未来、現状に変化を起こさずに達成できるかもしれないゴールは現状の中になります。

現状の中か現状の外かは、ゴールの達成方法がわかるか否かで見分けることができます。

現状の外のゴールは、その達成方法がわからず、あいまいでどうやって達成したらいいのかわからない上に具体的なイメージも描きにくいものです。

対して、現状の中のゴールは、達成した状態が明確に具体的にイメージできるものです。

3)ゴールは人生の各方面にバランスよく設定する

ゴールは人生の様々なジャンルに数多く設定することが大切です。

仕事が順調でも、プライベートがうまくいかなければ楽しくはないでしょうし、プライベートが充実していても、仕事でよい結果が出なければ悔しい思いをすることもあります。

さらに個人の経済状態や心身の健康、教養や精神性、休暇やリクリエーションも重要なはずです。

人生のバランスの取れたゴール設定は、人生の質を高め、私たちの幸福度をさらに増していくことにつながります。

< ゴールを見つける >

ゴール設定の重要性についてはお分かりいただけたと思います。

そうはいっても何をゴールにしたらいいのやらまったくわからない、という方もいらっしゃることでしょう。

ここでは、今のままではだめだと思うけど、自分自身が何を望み、どうなりなりたいのかよくわからないという方のために、ゴールを見つけるヒントを挙げてみます。

1) 幼いころは何に夢中になり、どういうことが楽しかったですか?

2)親や先生に言われて諦めてしまったことがありますか?

3)いま、楽しくて夢中になれることがありますか?

4)どんな人に憧れましたか?あるいは憧れていますか?

5)どんな人になることがあなたにふさわしいと感じますか?

こういったことを考えてみてください。

ゴールの種が見つかるかもしれません。

決して焦ることはありません。

ゆったりとリラックスしながら自分自身に問いかけてみてください。

このようなことを考えることはある意味、ゴールを見つけることをゴールに設定した、ということができるかもしれません。

さらに先へ

ゴールを達成したらそれで終わるのではなく、そのゴールをさらに大きなものにしたり、新たなゴールを設定しましょう。

現在地とゴールの距離のギャップが、成長と前進のためのエネルギーを生み出します。

新たにゴール設定をすることをコーチングでは、ゴールの更新やゴールの再設定と呼んでいます。

理想的には、ゴールを設定することでセルフ・エフィカシー(自分のゴール達成能力の自己評価)が十分に上がったのを見極めた段階で、ゴールの再設定やゴールの更新をすることをお勧めします。

こうすることで、大きなエネルギーが途切れることなく生まれていくからです。

ただ、ゴール更新のタイミングは自分自身ではわかりにくい場合があります。

その場合は、コーチにコーチングを依頼することをお勧めします。

コーチの役割

コーチングはその理論と方法を学ぶことで、自分自身で実践することができます。

自分で自分にコーチングすることをセルフコーチングと呼んでいますが、この場合うまくいっているかどうかわかりにくいという欠点があります。

コーチは第三者の観点から、コーチングのすべてのプロセスでクライアントに関わります。

客観的な立場ですから、クライアント自身の気がつかないところにも気づきやすく、コーチングのプロセスがよりスムーズかつスピーディになることが期待できます。

より確実にスピーディーにゴールを達成したい、という方はコーチに依頼することをお勧めいたします。

まとめ

1)ゴールがなければ、標的のないミサイルのように機能が停止し、自己破壊に至る。

2)ゴールを設定することで自立し、前進し、成長するエネルギーを生み出すことができる。

3)ゴールは自分自身が心から望むものを、現状の外に設定する。

4)ゴールはできるだけたくさん設定し、人生のバランスをとる。

5)ゴールは達成して終わりではなく、更新しつづけるもの。

6)コーチはクライアントのゴール達成プロセスに関わる味方であり、ドリームサポーターである。

さらに詳しく知りたい方は、以下のリンクをご参照ください。マインドの仕組みについて解説しています。

RASとスコトーマ

ホメオスタシスとコンフォートゾーン

自己イメージと自己評価

want to と have to

セルフトークとアファメーション

未来の記憶

生産性を上げるコーチング

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