マインドの仕組みを知る(6)≪未来の記憶≫

ゴール設定

ゴールを設定するということは、将来どんなことに慣れるのかを意図的に決めることです。

人間は本来何らかの目的を目指して生きていくようにできています。

人間は目的志向(teleological)の生き物なのです。

目的志向だということは、変化し、成長するためには未来から私たちを引っ張ってくれるゴールが必要だということです。

人はみな、夢や理想、希望を持っているはずです。

夢や理想、希望は将来実現したらいいなと思えることですが、それだけでは、実現させようという強い意思に欠けていることが多いのです。

ゴールは、夢や理想、希望といったものに、実現させるという意思や覚悟が加わったものとお考え下さい。

夢や理想がゴールになったとたん実現の可能性が高まります。

「将来の夢は~だ」と語るのと、「私のゴールは~だ」と自分自身に語るのとでは、マインドに与える印象は全く違ったものになるからです。

もし、夢や理想をお持ちならぜひ、ゴールとして設定してください。

未来の記憶を作る

意識的であれ、無意識的であれ、現在の私は過去のゴール設定の結果です。

現在の私の状況、つまり、職業、収入、人間関係、家族、精神性、社会貢献、趣味、健康などを、過去、無意識に刷り込んだ目標が実現したものだと考えると、将来のゴールをどのようにすれば達成できるかが見えてきます。

現在の自分=自己イメージは無数のブリーフ(信念)から構成されています。

そしてこれらのブリーフは、

Word(言葉)+ Picture(イメージ)+ Emotion(情動)

の三要素から成り立っています。

言い換えれば、ブリーフとは情動記憶です。

過去の情動記憶が自己イメージを創り、その自己イメージが現在の私の状況を創り上げているのです。

ですからゴールを達成するためには、ゴール達成にふさわしい自己イメージを新たに創り、そのイメージに慣れ親しむことが必要です。

これはいわば、未来の記憶(情動記憶)を創る作業といえるでしょう。

それではゴールを書き出してみましょう。

夢や理想、開発したい能力、改善したい部分などを文字にして肯定的に表現してみるのです。

このようにすると、どのようになりたいのかという結果のイメージが鮮明にマインドの中で描かれます。

将来のあるべき自分の姿を、Word(言葉)+ Picture(イメージ)+Emotion(情動)を使って表現し、アファメーションとしてマインドに刷り込むのです。

ルー・タイスはゴールが実現する原理を次のような公式であらわしています。

I(Imagination)×V(Vividness)=R(Reality)

想像力(イマジネーション)×臨場感(ヴィヴィッドネス)=現実(リアリティ)

臨場感を高めるためには、ポジティヴな情動を強く感じることがカギになります。

前進のエネルギー

ゴールはいくつあっても構いませんが、そのうち少なくとも一つか二つは現状の外に設定しましょう(もちろん全部でも構いません)。

この、現状の外とは現在のコンフォートゾーンの外、という意味です。

自己イメージと現在の状況のギャップがゴール達成のためのエネルギーを生みだします。

設定したすべてのゴールが現在のコンフォートゾーンの中だと、セルフイメージと現状にギャップがないため、前進しようという意欲やエネルギーが生まれません。

マインドの中の現実(自己イメージ)と物理世界の現実との間にギャップがあれば、認知的不協和(Cognitive Dissonance)と呼ばれる衝動が生まれます。

これは内面に起きる葛藤を解決しようとする強い欲求と動機です。

この認知的不協和はプラスにもマイナスにも働きます。

年収300万円がふさわしいという自己イメージを持つ人が、宝くじが当たり大金を手にすると、散財したり、だまし取られたり、落としたりして結局無意識のうちに元通りの自分に戻ろうとします。

逆に年収5000万円がふさわしいという自己イメージの人は、何らかの要因で収入が減るとさらに仕事や投資に精を出し、元の年収に戻ってしまうのです。

ゴールを設定し、自己イメージを書き換えるとこの認知的不協和が生まれ、そこから強烈なエネルギーと熱意、創造性が生まれます。

抽象度を上げる

抽象度(Level of Abstraction)とは情報空間における視点の高さのことです。

「抽象」とは「具象」または「具体」の反対語で、「抽象度を上げる」は同時に「具体性を下げる」ということです。

物理世界が最も抽象度が低くその上に情報空間が位置し、最も抽象度が高いのが「空」になります。

例えば、

レモン→シトロン類の果物→ミカン科の果物→柑橘類→果物→食べ物→物質

私→(男性・女性)→日本人→東洋人→有色人種→人類→哺乳類→動物→生き物

左側が抽象度が低く、右に行くほど抽象度が高くなるわけです。

ルートによっては、もっと細かく抽象度の高さを分類することができるかもしれません。

この抽象度を上げたり下げたりすることが、ゴール設定やその臨場感を上げるためにも必要になります。

ぜひ、練習をしてください。

ゴールを設定する時や更新をするときにゴールの抽象度を上げることが重要になります。

現状の外に設定したゴールでも抽象度が現状と同じ場合があります。

会社に勤めている方が脱サラし起業する場合、現状の外にゴールを設定することになるのでそれなりに大きなエネルギーが認知的不協和によって生まれるでしょう。

ところがその動機がよりお金を儲けて贅沢したいということだと、抽象度が高くないので抽象次元のエネルギーが湧いてきません。

よりお金を儲けたいという動機の抽象度を一段上げ、お金を儲けることで家族を幸せにしたい、事業を成功させることで大きな影響力を持ち、社会に貢献したいなどといったより高い抽象度のゴールを設定すると、ゴールと現状のギャップがより大きくなり、認知的不協和によって生み出されるエネルギーもとてつもなく大きなものになります。

現状の外に設定するゴールは、抽象度の高いものにすることをお勧めします。

まとめ

  1. 人間は本来目的志向であり、未来志向。
  2. ゴールは実現させる覚悟を持った夢や理想のこと。
  3. Word(言葉)+ Picture(イメージ)+ Emotion(情動)を使って未来のあるべき自己イメージを描こう。
  4. 臨場感を上げるにはポジティヴな情動を使う。
  5. ゴールと現状のギャップがエネルギーとモチベーション、創造性を生む。
  6. 抽象度の高いゴールを設定して、大きなエネルギーを創ろう。

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