Emotional Memory 情動記憶

私たちの人生に多大な影響を及ぼすもの、それは情動記憶(Emotional Memory)です。

生まれてから今日に至るまでの経験(記憶)は、たとえ忘れられていたとしても決して失われることはありません。

私たちのマインドは知覚したことをこれら過去の経験に照合して認識します。

ポイントは知覚したことを認識するとは限らない、ということです。

知覚したのに認識できない、ということは私たちの思いもよらないほど多いのです。

 

この知覚していても認識できないことが、スコトーマ(心理的盲点)の一角を大きく占めているのですが、今日はこの部分には深く触れないでおきます。

知覚したものを認識するためには、過去の経験(記憶)との照合がなされなければなりません。

私たちの経験や記憶が大きな役割を果たすのです。

 

ところで私たちの記憶は、ありのままの経験を記録しているのではないようです。

パソコンのハードディスクとは違うわけです。

私たちの記憶の特徴は、感情と結びついているということです。

 

子供の頃描いた絵を、親や友達に褒められた。

その逆の場合、

親や友達にけなされた。

 

絵を描いた経験に、褒められた場合は喜びの感情が、けなされた場合は落ち込んだり腹が立った感情が結びつきます。

その時の言葉ももちろん同時に結び付けられるでしょう。

コンピュータのデータにタグ付けするようなものでしょうか。

 

これら感情のタグ付けされた記憶は、意識せずとも私たちのマインドに影響を及ぼします。

描いた絵を褒められた子供は、自分は絵が得意なんだという信念を形成していく可能性が高いでしょう。

反対に絵をけなされた子供は、自分は絵が下手だという信念を形作っていくのです。

絵が得意だという信念を持っている子供は、どんどん絵がうまくなっていくでしょうし、絵が下手だという信念を持っている子供は、あまり絵をかかないでしょうし、うまくなる可能性も低いはず。

こうして、絵の得意な人と苦手な人が育っていきます。

 

こういった事例から翻って自己観察をしてみると、現在の自分の状況を形作ったのは自分自身の情動記憶であると気づくのです。

何が得意で何が苦手か。

どんなことに我慢ならないのか。

どうして人づきあいが苦手なのか。

なぜ、特定の人とはうまく付き合えないのか。

どうしても自信が持てない。

 

人により様々ですが、何らかの無意識のブレーキが働いていると感じる人が多いのではないでしょうか?

コーチングではこれら情動記憶が私たちのパフォーマンスを規定していると考えます。

 

ここで、さらに踏み込んで考えてみてください。

私たちは今現在も経験を積んでいます。

その経験が同時に情動記憶としてマインドに記録されていきます。

そしてどのような情動記憶になるのかは、過去の情動記憶の影響を強く受けているのです。

こうして過去、現在、未来へと一定の傾向を持つ情動記憶が積み重ねられていきます。

 

これが現状とその延長線上の未来を形成するカラクリです。

マインドの中の無数の情動記憶が、同様の傾向の情動記憶を重ねていき、人生を形成しているのです。

これら情動記憶の積み重ねが、私たちを幸福に導くものなら問題はありません。

しかし多くの場合そうとは言えないのではないでしょうか?

 

私たちが感じる感情の大半はネガティヴなものが多いはずです。

仏教心理学ではこれらネガティヴな感情を、不善心所(煩悩)と名付けています。

嫉妬や怒り、落ち込みや自己嫌悪、貪欲や利己性など。

私たちを不幸にする原因になる感情だから不善心所と言い、心を悩ませ苦しませるから煩悩と名づけられています。

 

仏教では徹底した自己観察により、これらのネガティヴな感情をなくしていき、最終的に煩悩のない悟りの境地を目指します。

しかし多くの人は悟りを目指そうとはしていませんね。

では、どうすればいいのでしょうか?

 

コーチングがその答えの一つを提案しています。

ゴール設定がそれです。

現状の外にゴールを設定することを推奨しているのは、過去の情動記憶から生まれる信念や傾向から外れたところを目指すためです。

そして、現状の外にゴールを設定することが難しく感じられるのも、ネガティヴな情動記憶が大きな原因なのです。

 

では現状の外にゴールを設定するとどのような変化がマインドに起きるのでしょう?

端的に言うと、人生が過去から切り離されます。

その結果、情動記憶に基づいた判断や反応が次第になくなっていき、ゴールのヴィジョンに基づいた判断や反応に変化していきます。

マインドが過去の悪影響から逃れるわけです。

 

やがてゴールのヴィジョンが新たな情動記憶を形作っていきます。

ある意味、ゴール設定によって人は生まれ変わってしまうのです。

ゴール設定は未来の情動記憶を自分自身の望むままに作る作業だからです。

 

過去の情動記憶の形成は、その時点での周囲の人の影響によるものでした。

未来の情動記憶を創るのはコーチとの共同作業になるでしょう。

そしてその影響は生涯続くのです。

 

※お知らせ:5月26日、27日の両日、東京出張に伴い、コーチングセッションを受け付けます。東京でコーチングセッションをご希望の方は、お申込みください。

コースはトライアルコースと6ヶ月間コースがございます。

※コーチングのご依頼、ご相談等はこちら

※無料メールマガジンのお申込みはこちら

 

 

 

 

 

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。
PAGE TOP