脳と心

コーチングでは脳と心をまとめて「マインド」と呼んでいます。

マインドは精神や心、意識を意味する英語ですが、これらは脳が生み出した機能であると考えるからです。

私たちの心と呼ばれる精神機能は、脳とその神経回路から生み出されると考えるのが、現代科学の一般的な見方のようです。

ここで注意するポイントは、私たちの理論的立場では頭蓋骨の中に収められた器官のみを脳と捉えているわけではない、ということでしょうか。

ご承知のように、脳から脊髄を通ってほぼ全身に神経が通っています。

これら神経組織は、脳脊髄神経系と自律神経(交感神経と副交感神経)系の二系統があります。

これら神経系を通して、全身が脳の各部位と繋がっているわけですから、一口に脳といってもその機能は全身に及んでいるわけです。

ですから私たちがマインドと一口に言っても、実のところ脳と心に加えて全身の機能を含んでいたりすることがあります。

スポーツで何らかのテクニックを習得する際、ビジュアライゼーション(視覚化、いわゆるイメトレ)が有効だとされているのも、脳内で描く映像が神経系を通して全身に影響を及ぼすと考えられるからです。

ふつうコーチングを行なう場合、セルフトークやビジュアライゼーションなどを指導しますが、その理論的背景を詳しく説明することは、あまりしません。

コーチングでは良い結果を出すことや、パフォーマンスアップなどの効果重視だからということが主な理由ですが、理論を解説し出すときりがない上に、迷路に迷い込んでしまうかもしれないからです。

マインドはもともと精神を表す英語ですが、現代科学ではマインドは脳の機能であると考えるのが主流です。

つまり脳が心を生み出していると考えるわけですね。

しかし私は個人的に、マインド(心)が先で、脳(および神経系)が後だと考えています。

つまり脳が心を生み出しているのではなく、心が脳を作ったと考えているのです。

変な考え方だと思われるかもしれません。

しかし私たちがこの世に生を受けた瞬間、どんな存在だったでしょうか?

小さな受精卵だったのですよ。

そこから細胞分裂を繰り返し、やがて内蔵器官が形成されていきます。

脳が形成されるのは、割と遅い時期なのです。

母胎から生まれたのちも20年ほど私たちの成長が続いていくわけですが、心が脳の機能だとすると、脳が形成される以前は心が存在していないということになってしまいます。

卵細胞が受精した瞬間から、あるいはそれ以前から「生命=ホメオスタシス」が働いているのは明白だと思うのですが、現代科学はどう考えているのでしょうね。

もっと簡単に考えても、心は脳に先行しています。

昏睡状態にある人(または死体)を直立させることは、極めて困難です。

不可能と言ってもいいかもしれません。

しかし私たちは意識があるとき、簡単に直立できますね。

心が「立とう」と思ったからではないでしょうか。

というわけで、私は心が脳に先行していると考えますし、さらには心が脳(と身体)を生み出したとまで考えているのです。

“すべての物事は心に基づき、心を主とし、心によって生み出されている。”

これはブッダの言葉です。

“すべての意味ある永続的な変化は内面(心)から始まり、外側へと広がっていく。”

コーチングの基礎となる、重要なプリンシプルです。

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